防災

大雨の警戒レベルが5段階に変わったらみんな本当に避難する?

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2018年12月12日、避難を呼びかける表現を5段階に区分するという案が中央防災会議によって示されました。

 

大雨が降ると、「大雨警報」「土砂災害警戒情報」「避難勧告」「避難指示」など、たくさんの災害情報が発令されますよね。

テレビの気象速報、スマホのエリアメールなどでも目にしたことがあると思います。

  • はっきり言ってわかりにくい
  • 情報の種類が多すぎて緊急度がわからない

警報や避難情報などが複雑で伝わりにくく、その結果避難が遅れる人が相次いでいる、という問題がありました。

西日本豪雨で、避難指示が出ていたにもかかわらず避難せず被害にあった人もいたよね

ということで、避難しなくていいレベルなのか、避難するべきレベルなのかをもっとわかりやすくするために5段階に分けましょう!という話なのです。

現在の時点では、まだ「案」の段階ですが、もう少し細かい部分をしっかり決めて正式に決定となるのではないでしょうか。

この5段階の大雨警戒レベルは、2019年5月31日の中央防災会議にて正式に導入が決定されました。

どのように変更になったのか、5段階の区分の内容と、警戒レベルを変えることによって本当に避難につながるのかということについて考えたいと思います。

以前の災害気象情報はどのような種類があったのか

大雨警戒レベルが5段階に変更される前、大雨にかかわる気象情報だけでも以下のようにたくさんのものがありました。

大雨

  • 特別警報
  • 警報注意報
  • 土砂災害警戒情報
  • 記録的短時間大雨情報
  • 竜巻注意情報

河川

  • 氾濫発生情報
  • 氾濫危険情報
  • 氾濫警戒情報
  • 氾濫注意情報
  • 避難指示
  • 避難勧告

このように、河川に関する情報を見ても、「氾濫警戒情報」と「氾濫危険情報」とではどちらのレベルの方が高いのか判別が難しいですよね。

 

天気予報が外れただけで文句を言う人もいるくらいですから、そもそも関心がない人にとっては本当に理解しにくい分野なんだろうなと思います。

そのような人たちに「記録的短時間大雨情報がでてるよ!」などと知らせても「雨すごいんだねー」くらいの感覚なのかもしれません。

まあ、そのような人も含めてどんな人にもわかりやすくしましょう、ということですね。

新しく考案された防災気象情報の5段階とは

大雨警戒レベルは5段階に。レベル5の段階では避難が完了していなければならない。

5段階の中のレベル1~レベル2は、避難の準備をしておく段階

レベル3~レベル4は、実際に避難する段階、となります。

そして、最後のレベル5の段階では、すでに全員が避難を完了していなければならない段階、とされています。

 

現在は、このような感じの5段階に変わっていますが、いかがでしょうか。

レベル4が発令されたときには速やかに避難できそうですか?

5段階区分で本当に避難するようになるのか

結論から言って、残念ながら今までとあまり変わらないんじゃないかなーと思います。

なぜなら、結果的にレベル4がしょっちゅう発令されるから。

レベル4に相当する避難勧告や避難指示は、少なくとも毎年どこかの自治体で発令されています。

たとえ自分が住む地域に出ていなかったとしても、ニュースで目にするたびに「ああ、またレベル4か」という印象になってしまうのです。

特別警報だって、数十年に一度の災害が予想される時に出されるって聞いたけど、毎年どこかで出ているしね。

レベル4が発令されたとしても、結果的に被害を免れることが続けば、オオカミ少年状態になってしまいかねません。

それでは根本的な改善にならないような気がします。

大雨警戒レベルが5段階に変更 まとめ

西日本豪雨の被害にあわれた方が言っていた言葉が忘れられません。

「避難しろって言ってくれていたら避難していた」

警報などの情報をわかりやすい制度に変えることは有意義なことだと思いますが、最終的に避難するかしないかを判断するのは自分です。

避難する人は避難するし、避難しない人は何を言っても避難しない。

自分自身と大切な家族を守るためにも、適切な判断ができるような意識を持ち続けたいと思います。

以上、大雨警戒レベルが5段階に変更についてでした。

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